空家管理の困りごと

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代表的な困りごと

  1. 維持管理費用の負担:空家を所有している場合、建物の維持管理費用がかかります。これには、定期的な清掃や修繕、保険料、税金などが含まれます。これらの維持管理を怠ると、建物の劣化や崩壊、火災などのリスクが高まります。
  2. 盗難や不法侵入のリスク:空家は放置されたままになることが多く、そのために盗難や不法侵入のリスクが高まります。これによって建物や家具、設備などが盗まれる可能性があります。また、不法占拠された場合は、追い出すことが難しくなることがあります。
  3. 地域住民とのトラブル:空家が周囲の住宅地域にある場合、放置されたままになることで地域住民からの苦情が出ることがあります。特に、建物が老朽化して崩壊する可能性がある場合は、周囲の住民にとって危険な状態となります。
  4. 税金や罰金の支払い:一部の自治体では、空家に対して税金や罰金を課している場合があります。これらの費用が積み重なると、所有者にとって負担となります。
  5. 一定期間放置して倒壊等、周辺住民の健康・安全に影響を与える恐れがある場合行政庁により特定空家に指定され様々な措置を受けることとなります。

特定空家とは

特定空家の条件は、市区町村によって異なる場合がありますが、以下のような条件が一般的に挙げられます。

  1.  一定期間以上放置された建物や土地であること:空家になった建物や土地が、一定期間以上放置されていることが条件となります。期間は市区町村によって異なりますが、数年から10年以上といった期間が多いです。
  2.  周辺住民の健康・安全に悪影響を及ぼす可能性があること:特定空家に指定するには、周辺住民の健康や安全に悪影響を及ぼす可能性があることが条件となる場合があります。例えば、倒壊の恐れがある建物や、害虫・害獣の発生源になる草木が伸び放題の土地などが該当します。
  3. 建物や土地の所有者が確認できないこと:所有者が確認できず、問い合わせにも応じない場合には、特定空家に指定されることがあります。
  4.  建物や土地の利用が全くされていないこと:建物や土地が利用されておらず、居住者や借地人がいないことが条件となります。

これらの条件の詳細は市区町村によって異なります。市区町村のウェブサイトや窓口で確認することができます。 条例の対象となる空き家等とは 建物が倒壊したり、物が落下するなどして近隣の建物や通行人などに被害を及ぼした場合、その建物の所有者は損害賠償などで管理責任を問われることがあります。

【参考】民法(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任) 第717条土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

特定空家に指定されたら

特定空家に指定された場合、以下のような措置が行われる可能性があります

  1. 税金の課税率の増加:特定空家に指定されると、固定資産税や都市計画税の課税率が増加する可能性があります。
  2. 管理要請:特定空家に指定された場合、市区町村が空家所有者に対して、空家の管理を要請することがあります。
  3.  公表:市区町村は、特定空家に指定されたことを公表することがあります。また、特定空家の所有者に対して、公表を義務付ける場合もあります。
  4.  空家利活用の支援:特定空家に指定された所有者に対して、空家利活用の支援を行うことがあります。空家を再生して住宅や施設に転用するための支援策、空家を民泊や短期貸し出し物件として利用するための支援策などがあります。
  5.  取り壊しの指示:特定空家に指定された場合、市区町村が所有者に対して取り壊しの指示を出すことがあります。建物の老朽化や、周辺住民の健康・安全に影響を与えることが懸念される場合には、特に取り壊しの指示が出されることがあります。

特定空家に指定された場合には、市区町村の指示に従うことが必要となります。

✽以上が、空家の困りごとの代表的なものです。所有者は、定期的な点検や清掃、必要に応じた修繕を行い、放置せずに維持管理することが重要です。空家を有効活用または、所有していても今後活用の見込みがない場合、処分等を模索することも必要です。